こんなに違うの?!建設業許可で必要な資料が都道府県によって違う!西日本編
2021/04/30
こんにちは。
行政書士の岩田です。
建設業許可は知事許可と大臣許可があります。
初めて建設業許可を取ろうと考えている人は、知事許可の方を取るんじゃあないかと思います。
知事許可と大臣許可の違いはこちらの記事をご覧ください。
この知事許可は各都道府県知事に申請するのですが、実は必要な資料が都道府県によって全然違います。
A県では建設業の経営経験5年を証明するために、毎月1件以上の工事契約書や請求書などが必要。
B県では建設業の経営経験5年を証明するために、登記事項証明書か確定申告書があればOK。
C県では建設業の経営経験5年を証明するために、年に1件以上の工事契約書や請求書などに加えて、その期間常勤で働いていたことの資料が必要。
など各都道府県によって本当に様々です。
建設業許可を取るための情報はとても多いです。
色々な行政書士の先生が日々建設業許可の情報をアップしてくれています。
しかし、実はあなたが見た情報が他県の情報で、取りたい都道府県知事許可なら簡単に取れるという状況かもしれません。
この記事では、西日本の各都道府県で必要な資料をまとめています。
東日本編はこちら
特に違う所は、
- 経営業務管理責任者に関する資料
常勤性を確認する書類
地位と経験年数を確認する資料
経験時の建設工事に関する資料
- 営業所の確認資料
- 財産要件の確認資料
上記です。
- 都道府県名称
- 経営業務管理責任者に関する資料
- 常勤性を確認する資料
- 地位と経験年数を確認する資料
- 経験時の建設工事に関する資料
- 営業所の確認資料
- 財産要件の確認資料
- 新規で申請する時の提出先
上記の順番で説明しています。
あなたが取りたい都道府県知事許可の必要書類が何なのかを見てから、建設業許可が取れるのかどうかを判断してください。
富山県
常勤性
法人
健康保険証と健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書
個人
健康保険証と確定申告書(税務署の受付印があるもの)
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
営業所
写真の提示が必要。
新規申請の場合、土木センターの職員さんが営業所の現地調査に来ます。
財産要件
自己資本500万円以上
残高証明書
新規で申請するときの提出先
各市町村を担当する土木センターです。
石川県
常勤性
健康保険証に加えて、以下のどれかが必要です。
- 雇用保険被保険者証
- 賃金台帳(3ヶ月程度)
- 確定申告書の控え又は、源泉徴収簿
- その他添付を求める書類
地位と経験年数
法人
登記事項証明書と、業態(営業)証明書
個人
業態(営業)証明書
営業所
外観(看板を含めた全景)、執務室内の写真をA4の台紙に貼ったものを1部提出します。
財産要件
自己資本500万円以上
預金残高証明書
融資予定念書など
新規で申請するときの提出先
各市町村を担当する土木総合事務所です。
福井県
常勤性
健康保険証
出勤簿
賃金台帳など
地位と経験年数
法人
登記事項証明書など
個人
建設業に関する過去の発注証明書など
建設工事の経験
営業所調査の時に、経験年数や実務経験年数の確認書類(契約書や注文書&注文請書など)を求められる場合があります。
営業所
営業所の調査があるので、「許可要件の調査依頼書」を添付します。
財産要件
自己資本500万円以上
預金残高証明書など
新規で申請するときの提出先
各市町村を担当する土木事務所総務課です。
岐阜県
常勤性
健康保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
期間分の所得税確定申告書
建設工事の経験
契約書
注文書など(年1件以上)
※契約当事者双方の合意で作成されたことが証明できる書類は、確認資料として認められます。(見積書、請求書などに発注者の証明があるものも含みます。)
営業所
営業所の写真。
使用権原がわかるように、写真に併せて自己所有か賃貸かを記入します。
財産要件
自己資本500万円以上
残高証明書
融資証明書など
新規で申請するときの提出先
各市町村を担当する土木事務所総務課管理調整係または、契約係です。
愛知県
常勤性
法人
保険証に加えて、以下のどれかが必要です。
- 雇用保険被保険者証
- 雇用保険被保険者資格取得等確認通知書
- 住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)
- 厚生年金標準報酬決定通知書
- 法人税確定申告書
- 所得証明書
- 源泉徴収票
など
個人
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書+所得証明書
建設工事の経験
契約書
注文書+注文請書
請求書+入金がわかる通帳など
※年1件でOKですが、登記事項証明書の目的から、建設業をしていたことがわからない場合や、確定申告書の収支内訳書や月別売上金額がわからない場合は、年1件ではなく月に1件必要です。
営業所
営業所の写真。
使用権原がわかるように、写真に併せて自己所有か賃貸かを記入します。
財産要件
自己資本500万円以上
残高証明書
融資証明書など
新規で申請するときの提出先
各市町村を担当する建設事務所です。
三重県
常勤性
法人
保険証
個人
保険証+確定申告書
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
契約書
注文書
発注証明書
工事履行証明書など(年1件以上必要です。)
営業所
A4紙に撮影した写真を貼付、または印刷します。
右上に、
- 会社名
- 撮影日
- 自己所有か賃貸借の旨
上記を記載します。
※直近1ヶ月の公共料金の請求書や、会社宛の消印のある郵便物も提出します。
財産要件
自己資本500万円以上
残高証明書
融資証明書など
新規で申請するときの提出先
各市町村を担当する建設事務所総務課です。
滋賀県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
所得証明書など
建設工事の経験
工事契約書
注文書
発注者証明書など
※契約書などがない場合は、滋賀県様式の発注者証明書に、発注者の方に以下の事を記入してもらいます。
- 工事名
- 工事場所
- 請負金額
- 工期
- 工事請負人
- 発注者の署名+押印(実印)
営業所
様式があります。
L判サイズ以上の写真を貼るか、プリントして提出できます。
財産要件
自己資本500万円以上
残高証明書など
新規で申請するときの提出先
滋賀県庁新館5階の土木交通部監理課建設業係です。
京都府
常勤性
法人
保険証+登記事項証明書+雇用保険被保険者証
個人
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
工事契約書など(年1件以上)
営業所
写真台紙があります。
この台紙に写真を貼り提出するか、同様のものを作り、プリントします。
※任意様式で、事業所平面図が必要です。
電話や机などの配置がわかるように書きます。
財産要件
自己資本500万円以上
残高証明書など
新規で申請するときの提出先
各市町を担当する土木事務所企画・総務契約課です。
大阪府
常勤性
法人
保険証+健康保険被保険者標準報酬決定通知書
個人
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
契約書
注文書
請求書など(間が12ヶ月以上空かないように、年に1件以上)
営業所
大阪府様式1号の「営業所概要書」を提出します。
財産要件
自己資本500万円以上
残高証明書な
新規で申請するときの提出先
建築振興課(咲洲庁舎1階)申請会場です。
兵庫県
常勤性
- 保険証
- 賃金台帳
- 出勤簿、タイムカード
など
地位と経験年数
法人
- 登記事項証明書
- 法人税確定申告書
など
個人
- 確定申告書
建設工事の経験
- 工事契約書
- 注文書
- 見積書
- 請求書
- 元帳
など
営業所
自己所有の場合
- 不動産の登記簿謄本
- 固定資産評価証明書
- 固定資産税納税通知書
賃貸の場合
- 賃貸借契約書
- 使用貸借契約書
- 使用承諾書
- 賃借料領収書
など
財産要件
自己資本500万円以上
残高証明書など
新規で申請するときの提出先
各市町を担当する土木事務所建設業課・まちづくり建築課です。
奈良県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
- 登記事項証明書
- 法人税確定申告書
個人
- 確定申告書
建設工事の経験
- 工事契約書
- 注文書
- 請求書+通帳
上記を年に1件程度
営業所
営業所の写真。
使用権原がわかるように、写真に併せて自己所有か賃貸かを記入します。
財産要件
自己資本500万円以上
残高証明書など
新規で申請するときの提出先
奈良県庁分庁舎6階の建設業・契約管理課です。
和歌山県
常勤性
保険証
地位と経験年数
確定申告書
建設工事の経験
- 工事請負契約書
- 注文書
- 請求書
- 見積書
- 工事台帳
上記などを必要期間分、申請の際に持参します。
営業所
- 営業所の写真と、以下のどれかが必要です。
自己所有の場合
- 建物の登記簿謄本
- 家屋の売買契約書、権利書
- 固定資産評価証明
など
賃貸等の場合
- 賃貸借契約書
- 使用承諾書
など
財産要件
- 法人の場合、自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
各市町村を担当する和歌山県振興局建設部などです。
鳥取県
常勤性
- 保険証
- 標準報酬決定通知書
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 確定申告書
上記など
地位と経験年数
登記事項証明書
個人
所得証明書
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
各市町村を担当する県土整備局建設総務課です。
島根県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 工事契約書
- 注文書
- 工事請負内容証明書
上記が年1件以上必要です。
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
各市町村を管轄する県土整備事務所です。
岡山県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
- 登記事項証明書
- 出勤簿
- 賃金台帳
など
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 工事請負契約書
- 注文書+注文請書
- 工事台帳
など
営業所
申請が受付された後に、営業所調査があり、看板や机、電話、賃貸借契約書などを確認されます。
この際に、常勤性や、過去の建設業の経営経験などの書類の確認があります。
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
岡山県庁6階の、岡山県土木部監理課建設業班です。
広島県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 契約書
- 注文書
- 広島県所定様式の発注証明書
必要年数が5年の場合は、直近の1、3、5年のものが必要です。
営業所
申請者所有の場合
建物登記簿謄本
固定資産課税台帳登録事項証明書
賃貸借の場合
賃貸借契約書など
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
各市郡を担当する建設事務所です。
山口県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 確定申告書
- 契約書
- 注文書
- 請書
- 請求書
など
営業所
営業所調査があります。
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
各市町を担当する土木建築事務所総務課です。
徳島県
常勤性
法人
健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書
個人
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 工事契約書
- 請負契約証明書
上記などが年に1件必要です。
営業所
徳島県様式の書類に必要事項を記入します。
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
各市町を担当する県土整備局、鳴門総合サービスセンター、総合県民局です。
香川県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 工事契約書
- 注文書
- 発注者の証明書
などを必要年数分
営業所
香川県様式の書類に写真を貼ります。
※経営業務管理責任者、専任技術者、令第3条に規定する使用人の方の正面を向いた写真を添付します。
財産要件
残高証明書
融資証明書
新規で申請するときの提出先
営業所の所在地を管轄する土木事務所総務課です。
愛媛県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 工事請負契約書
- 注文書・請書
- 請求書
など
営業所
営業所の写真。
使用権原がわかるように、写真に併せて自己所有か賃貸かを記入します。
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
各市町を担当する土木事務所、地方局です。
高知県
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
発注者に工事施工証明書を必要期間分、作成してもらいます。
財産要件
融資証明書
- 残高証明書
- ※自己資本を財務諸表で証明する場合、最大で1年前の物になるので、融資証明書か残高証明書の提出は必須です。
新規で申請するときの提出先
本庁6階や、出先機関の土木事務所総務課です。
福岡県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
法人税確定申告書
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 契約書
- 注文書
- 請求書
などが年に1件必要です。
財産要件
融資証明書
残高証明書
新規で申請するときの提出先
各市郡を管轄する県土整備事務所です。
佐賀県
営業所
営業所の所在地を表す見取り図が必要です。
財産要件
残高証明書
新規で申請するときの提出先
各市郡を管轄する土木事務所です。
長崎県
常勤性
保険証
確定申告書
など
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 工事請負契約書
- 注文書
- 工事発注証明書
上記などが1年に1件必要です。
営業所
営業所の写真。
使用権原がわかるように、写真に併せて自己所有か賃貸かを記入します。
※営業所の実態調査があります。
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
各市町を管轄する県の各振興局建設部です。
熊本県
常勤性
保険証
営業所
営業所の写真。
使用権原がわかるように、写真に併せて自己所有か賃貸かを記入します。
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
大分県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
所得額証明書
建設工事の経験
- 契約書
- 注文書
- 施工証明書
など
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
新規で申請するときの提出先
各市町村を管轄する土木事務所総務課です。
宮崎県
準備中です。
鹿児島県
常勤性
保険証
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 契約書
- 注文書
- 請求書
など
営業所
営業所のカラー写真。
財産要件
- 自己資本500万円以上
- 残高証明書
- 融資可能証明書
など
沖縄県
常勤性
住民票と以下のどれかが必要です。
- 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
- 被保険者記録照会回答票
など
地位と経験年数
法人
登記事項証明書
個人
確定申告書
建設工事の経験
- 契約書
- 注文書
- 請書
- 請求書
上記などが必要年数分。(年3件)
営業所
残高証明書
財産要件
残高証明書
※1ヶ月以内の新設法人は、純資産の額が500万円以上なら、残高証明書の提出は不要です。
新規で申請するときの提出先
各土木事務所です。
まとめ
あなたが取りたい建設業許可の都道府県の必要書類はわかりましたか?
各都道府県によって、必要書類が全く違います。
住民票がいるかいらないかの違いならいいのですが、
経営業務管理責任者の必要資料は様々です。
確定申告書で建設業と分かればそれでOKな所もあれば、契約書や注文書などを求める所もあります。
年に1件でOK、3ヶ月に1件でOK、毎月のものが必要など、本当に様々です。
入金がわかる通帳が必要な所もあったりなかったり。
営業所に関しては、自己所有か他者所有を明記すればOKな所、建物の登記簿謄本や賃貸借契約書が必要などがあります。
ですが、この記事を見て建設業許可を取るのは難しそうだなと諦めないでください。
他の方法があるかもしれません。
わからないことはお問い合わせください。
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行政書士とんぼの事務所
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電話番号:054-395-9990
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