苦労して建設業許可を取った後にもまだまだやらなければいけないことがたくさんあります。

そのうちの1つが、

帳簿等の備付けです。

建設業者は、営業所ごとに帳簿を備え、その帳簿と営業に関する図書（発注者との打ち合わせ記録や施工体制図）を保存しなければいけません。

この記事では、

1. 帳簿の記載事項
2. 帳簿に添付する書類
3. 営業に関する図書
4. 保存期間

の説明をします。

帳簿の記載事項

上記の画像は帳簿の参考様式です。

帳簿には以下の事を記載します。

1. 営業所の代表者の氏名、就任年月日
2. 請負契約に関する事項
3. 住宅を新築する請負契約に関する事項
4. 下請負契約に関する事項（元請けのみ）

1、営業所の代表者の氏名、就任日

2、請負契約に関する事項

• 請け負った建設工事の名称、工事現場の所在地
• 注文者との契約日
• 注文者の商号、住所、許可番号
• 注文者から受けた完成検査の年月日
• 工事目的物を注文者に引き渡した年月日

3、住宅を新築する請負契約に関する事項

• 当該住宅の床面積
• 建設業者の建設瑕疵負担割合
• 発注者に交付している住宅瑕疵担保責任保険法人

4、下請負契約に関する事項

• 下請負人に請負わせた建設工事の名称、工事現場の所在地
• 下請負人との契約日
• 下請負人の商号、住所、許可番号
• 下請工事の完成を確認するために「自社が行った検査」の年月日
• 下請工事の目的物について「下請業者から引き渡しを受けた」年月日

注意点

特定建設業の許可を受けている者が注文者（元請工事に限りません）となって一般建設業者（資本金が4,000万円以上の法人企業を除きます）に建設工事を下請負した場合には、以下の事項についても記載が必要です。

1. 支払った下請代金の額、年月日、支払い方法
2. 支払手形を交付したときは、その手形の金額、交付年月日、手形の満期
3. 代金の一部を支払ったときは、その後の下請代金の支払残額
4. 遅延利息の額・支払日（下請負人から引き渡しの申出から50日を経過した場合に発生する遅延利息の支払に係るもの）

帳簿に添付する書類

帳簿に添付しておかなければならない書類は以下のものです。

1、契約書、契約書の写し、電磁的記録

2、下請代金の支払額、支払年月日、支払方法を証明する書類（領収書等）やその写し

特定建設業の許可を受けている者が注文者（元請工事に限りません）となって一般建設業者（資本金が4,000万円以上の法人企業を除きます）に建設工事を下請負した場合には添付が必要です。

3、請け負った建設工事が、施工体制台帳を作成しなければならない場合は、その施工体制台帳に記載された箇所

• 実際に工事現場に置いた監理技術者の氏名、資格
• 監理技術者以外に専門技術者をおいたときは、その者の氏名、その者が管理を担当した建設工事の内容、有する主任技術者資格
• 下請負人（末端までの全業者）の称号、許可番号
• 下請負人に請負わせた建設工事の内容、工期
• 下請業者が実際に工事現場に置いた主任技術者の氏名、有する主任技術者資格
• 下請負人が主任技術者以外に専門技術者を置いたときは、その者の氏名、その者が管理を担当した建設工事の内容、有する主任技術者資格

営業に関する図書

営業に関する図書も、帳簿と同じく保存しておかなければいけません。

営業に関する図書とは以下のものの事です。

1. 完成図
2. 発注者との打ち合わせ記録
3. 施工体系図

保存期間

帳簿の保存期間は5年間。住宅を新築する建設工事に係るものは10年間です。

営業に関する図書の保存期間は、建設工事の目的物の引き渡し日から10年間です。

建設工事で使った書類は重要なものなので決して紛失したりせずに保存してください。